高さ制限
高さについてはさまざまな側面からの規制があります。都市部では1960年代後半(昭40年代)から、鉄筋コンクリート造の普及につれ、建築物の高層化が進むようになりました。その結果、建築物の周辺に広範な日陰を生じ、それまで問題にならなかった日照の侵害が、意識されはじめました。
日照の恵みは多面的で、採光・温熱や通風の確保、心理的な開放感、眺望があります。高い建物の周辺ではそうしたものが妨げられることから、1970年代は日照を争点とする訴訟が各所で見られました。転機になったのは、日照の侵害と認めた1972年の最高裁判決で、その後の判例となりました。
日照権という権利を定めた法律はなく『他人の建物に妨げられることなく太陽光を受ける権利が国民にはある』とする一説の通称で、憲法第13条幸福追求権、第25条生存権などがその根拠とされます。
建築基準法の高さ規制が設けらているのは、建築物による日照の侵害を回避することで、日照権を具体化するものといえます。
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